げんろぐ

VRChatとパソコンのブログ

【結果報告】VRChat でベンチマークをとる集会をしました (激重アバター耐久ベンチマーク集会)

先日8月28日に「激重アバター耐久ベンチマーク集会」と称してVRChat上でfps の推移等のベンチマークを取る集会を行い、VRChat上でのfps 推移を測定するテストを行いました。なお、用語の解説は端折ってるのでわからなければ調べてください。たぶんすぐわかると思います。

 

 

【テスト内容】

下記の状況でfpsの推移等のログを参加者PCで測定していただきました。

①あらかじめ軽量アバター(Excellent)に着替える

②全員でグローバルの鏡の前に立つ

③ご自身が持っている Verypoor のアバターに一人ずつ着替えてもらう

 

【測定方法】

fpsVR のログ記録機能を用いました。

詳細は下記動画を確認ください。

 

 

【測定を行ったPCの構成】

Corei5-12600K RTX3060 Oculus Quest2
Corei9-12900KF RTX 2080 Ti Oculus Rift S
Corei9-12900KF RTX 3090 HP Reverb G2
Ryzen 7 5800X RTX A6000 Oculus Quest2
Ryzen 9 3900X RTX 3090 Ti Oculus Quest

今回測定をしてくださった方は、自分も含めて5名でした。ビックリするぐらいつよつよ構成の人があつまりました。激重アバター集会というより、”つよつよPC集会”になりました。この5構成で比較を行ったのですが、問題があるデータが二つあり、結果としては3構成での比較となります。

 

【測定結果】

平均fpsやFrametimeは実際に負荷がかかり最大fpsが発揮できていない時間帯での平均値を表にまとめました。

  PC構成・設定 測定結果
No HMD 最大fps レンダリング
(片目)
CPU GPU 平均fps 平均CPU
Frametime(ms)
平均GPU
Frametime(ms)
1 HP Reverb G2 90 3880x3796 Corei9-12900KF RTX 3090 66.82 7.85 11.91
2 Oculus Rift S 80 1648x1776 Corei9-12900KF RTX 2080 Ti 51.39 9.88 13.38
3 Oculus Quest2 90 2240x2272 Ryzen 7 5800X RTX A6000 60.35 13.30 14.86

 

やはり、CPUもGPUもハイエンドの No.1の構成が最もfpsを発揮していました。No.1の構成はレンダリング解像度が高く、ほかの構成よりも不利な設定ですが、大差で圧勝ですね。No.1とNo.2はCPUが同じですが、fpsに大きく差が付きました。また、No.2とNo.3の構成を比較すると 平均fps は No.3のほうが優秀ですが、平均Frametime は No.2のほうが優秀という 逆転現象が発生しています。おそらくこれはOcculusVR固有機能である、ASW機能により最大fpsの設定値に応じたfps値の調整が入っていると思われます。

 

fps推移グラフ(移動平均線

 fps推移を表すグラフを見ていても、No.2の構成は40fps  No.3の構成は45fps の線のあたりに値が集中している場面が多数あります。No.2の構成は80fps 、No.3の構成は90fps の設定になっていたことから、ASW機能によるfps調整が影響していたと思われます。(※ASWは最大フレームレートを発揮できない場面で、最大フレームレート値の半分の値に自動的にfpsを調整したうえで間のフレームを補完する仕組みです。)

 

 

 

CPU Framtime を比較しますと、やはり最新のi9 は強く、Ryzen5800X よりも短い時間でフレームを演算できています。

 

GPU Frametime を比較すると、A6000を搭載したNo.3の構成 がほかの構成よりもフレームの演算に時間がかかっています。A6000は非常に高価な業務用グラボですが、持ち味であるVRAMの多さ(48GB)を生かすことができない検証だったため、性能が発揮できなかったと思われます。また、No.3の構成はCPUがほかの構成より非力なことから性能があまり発揮できなかった可能性もあると思われます。

 

調査結果は以上です。今回測定をしてみて、いくつか測定時の課題や測定環境の整え方について見えてきたものがありますので、改めて再度ベンチマーク集会などの取り組みを続けていきたいと思います。また機会があればぜひご参加ください!